日々の生活

読書が楽しくて仕方ない

yuchou

元々読書は好きな方だけど、最近になって輪をかけて楽しいと感じるようになっている。今や読書は自分の生活の中核を占めていると言っていいくらいに。

情景を広げる読み方

悠蝶の読み進め方は、以前は活字を一つ一つ脳内で声に出す黙読方式だったけど、だからこそ集中力が必要だったし悠蝶のキャパシティを越えてしまうような、新たな知識や学問を体系的に学ぶ学術書相手だと頭がショートしてしまいがちという欠点も抱えていた。その結果一冊一冊にかける時間は相当長かったと言っていい。ひどいときは1か月たっても1冊が読み終わらないなんてざらだったし。

最近は、一字一字を追っていくよりは単語、文節、分、1行といった具合に目に一度に入れる文章量を増やし、ブロック単位で取り入れる読み方に徐々に慣れてきている。活字を文字というよりも一つの画像として処理する、みたいな?形に似ているかもしれない。最初はそんなことできるの?見落としたりしない?と不安だったけど、そもそもとして見落とす、という不安自体は悠蝶の完璧主義の負の産物だと今となっては感じる。少なくとも読書においては。

いや見落とすんだったら、そう思うんだったらまた読むときに見落とさなきゃいいじゃん。1回の読書で完璧にその本の中身を取り込むってこと自体が悠蝶に限らずそうそうできるものじゃないよ。

と、自分に言い聞かせることでようやくこのスパイラルから脱却できて、現在に至る。そのおかげで、読書速度は飛躍的に向上した。今月だけで読んだ本が、「地平」「あなたのことが知りたくて」「すべての白いものたちへ」「コンビニ人間」「あまからカルテット」「精進料理の極意」「丸の内魔法少女ミラクリーナ」「オール・ノット」「ついでにジェントルメン」「あのこは貴族」とちょうど10冊。そして今「陽子さんはお元気ですか?」を読んでいる。いやー以前の自分には考えられない。昨日買った本がもう翌日には読み終わってるなんて。それだけ楽しくサクサク読み進められる作品そのものの素晴らしさも大きいと思うけど、でも完璧に読み込まなくていいと思えるだけでこれほどまでに読書体験が変わるとは。

そんな変わった読書体験、今は「情景を広げる」ことが楽しみの一つになっている。テキストをある程度の分量の塊として頭に取り込むことで、そのテキストが自分に届ける情景を、脳内でイメージ化しているような、そんな感じ。食べ物の描写ならその食べ物の情景を、場所や景色ならばその光景や雰囲気を、人物の心理ならばその登場人物になりきってその奥底を自分事として咀嚼して、といった具合に。そうすることで、よりテキストは自分の血肉に近い存在になるし、よりその作品を、作品を通した作者を、その作品に感動したたくさんの名前も声も知らない読者たちを知ることができるような、そんな気持ちになれる。

各々にしかできない読書体験

そして読書体験の数多き楽しみのうちの一つとして悠蝶が最近感じることが多いのが、その人その人にしかできない読書体験があり、悠蝶はそれを感じる瞬間に世界がまた開けた気持ちになれるということ。

自分が今読んでいる本は、自分以外にもたくさんの読者がいるから、唯一の本ではないのはそう。その本から感じられることも、感想が被る、なんてことは少なからずあると思う、特に読者の多い本に関しては猶更。

だけど、その本から得られる読書体験が、自分の人生経験と、直近に得た他の体験とリンクして生まれた情念や感想だった場合、それはそういう経験をそういう流れで、そういう時系列で体験した自分にしか得られないものであり、こういう歩みだからこそ得られた情念だ、と心から言えるのは得難き幸福だと悠蝶は思う。

最近だと、ある「託す」物語を間接的に摂取したそのすぐ後に、「オール・ノット」を読んだことで、その作品が「託す」要素を多分に含んでおり、それがどんな意味を込めておりどんなともしびを人生にともすのかをより強く感じられるようになったし、そのともしびの正体はもしかしたら今後の自分にも煌々と輝くものかもしれない、と思えてああ、これが得難き幸福なんだなって思えたもので。

他にも、ちょうど「あのこは貴族」を読んだ直ぐ後に、ある作品の眩しい位真っ直ぐな人物とどこか鬱屈とした主人公の違いを、それぞれが生まれ育った環境がそうさせているものと分析している、そんな話に出会えてよりそれらの根底にある階層化というものの身近さをより感じられたりもした。

それらはそのタイミングだからこそより強く実感できたのかもしれないし、別にそうでないのかもしれないけど、そんなタイミングでそれぞれと出会ったからこそ、それらのリンクを、共鳴を感じられたようでより読書体験で得られる幸福が膨らんでいくように思える。

そんな自らの世界をより瑞々しい生命に満ち溢れさせてくれるのが、今の悠蝶にとっての読書体験で、もう楽しくて仕方ない。読み終えた後の「読み終えてしまった」といった一抹の寂しさを感じることも多くなったし、それと同じくらいの「次はどんな素敵な体験が待っているのだろう」「この体験はこれからの悠蝶にとってどんな意味を持つのだろう」という前向きな好奇心もまた多くなったように思える。

来月は、どんな読書体験に出会えるのかな。今から楽しみで仕方ない。

ABOUT ME
悠蝶
悠蝶
ヴィーガンコーヒー・スイーツ愛好家
珈琲が好きで、甘いものも好きで、自然も好きで、地球上のありとあらゆる存在が奪わず奪われずに存在できたらいいなと願い、日々を生きる。週に一度植物性食材のお菓子を作るのが趣味で、いつかそのお菓子と自分で焙煎したコーヒーを色々な人に食べてもらい、帰って作れるようにレシピを共有できるような店を立てたいと夢を見ている。
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