アレルゲンフリースイーツ試行錯誤~ケーキその1
はじめに
について、共有させて頂ければと思います。
なお、毎週日曜日には試作を行っておりますので、基本的に成功しても失敗してもこのサイトにて共有したいと思います。
成功する時もあれば失敗する時もありますので、その過程含めて誰かの役に立てばいいなって思います。
品目:9月が旬の葡萄三品目のタルト(当初)
1.構想
今回は、9月最後の日曜日ということで、9月に旬の盛りを迎える葡萄3種を使ってタルトを作ろうと思いました。使った葡萄は、

甲斐路
シャインマスカット
ナガノパープル
です。
本来はシャインマスカットとナガノパープルだけのつもりだったのですが、ナガノパープルが前日においてなくて甲斐路が置いてあったので、どちらも9月が旬の盛りだしこっち使おうと思って買ったところ、なんと当日にナガノパープルが仕入れられて並んでおりましたので、結局そっちも使おうとなって3種になりました。
そして、そのタルトの構想ですが、当初は、
タルト台:以前の記事で紹介したアレルゲンフリータルト台
下層:アレルゲンフリーベイクドチーズフィリング
中層:アレルゲンフリースポンジケーキ+極早生みかんのマーマレード
上層:ココナッツババロア+葡萄とココナッツホイップのデコレーション
といった構成で行こうと思いました。普段はタルトのフィリングって単一のものにしているのですが、せっかくだから複層式のものにも挑戦したいと思いまして、今回はこのようにしようと思いました。
ちなみに、ベイクドチーズフィリングは、以下のように作ろうと考えておりました。
アレルゲンフリークリームチーズ(もち米(浸水)、オーツミルク、オリーブオイル、酢、塩で作る)、ココナッツクリーム
卵の代わり(メープルシロップ(風味)、ベーキングパウダー(膨張剤)、オーツミルク(タンパク質))
米粉、レモン汁、含蜜糖
手元にあるレシピ本のヴィーガンクリームチーズのレシピを参考に、アレルゲンを置き換えた形で作ろうと思いました。そしてベイクドチーズフィリングは、富澤商店様のこちらのサイトを参考にしております。
2.試作、そして…
そして、実際に作ったアレルゲンフリークリームチーズがこちら。

とろみもしっかりついており、食感も味わいも実際だいぶチーズに近づいていると思います。つまり、材料を作るという段階では順調に進みました。
問題は、ここから先でした。
製作工程としては、タルト台を170度のオーブンで10分仮焼きし、その台に上記のチーズフィリングを流しいれて45分焼きました。
その、流しいれる量を見誤ってしまったのです。台一杯に注いでしまいました。
その結果がこちら。

そう、台の縁にチーズが浸食してしまい、型から外れなくなってしまったのです。そして肝心のフィリング本体自体はまだ中々に柔らかさを保っており、これをより固めるために追加で焼くとさらに縁が固まる袋小路。これはもう詰みです。
案の定、タルトは台から外す際に粉砕。結果として葡萄三品目の「タルト」は破綻したという悲しい結果と終わってしまいました。
プランB:ケーキ
1.他のパーツでなんとかリメイク
タルトは失敗してしまったとはいえ、他のパーツはしっかりできておりました。
アレルゲンフリースポンジケーキ
ココナッツババロア
ココナッツホイップ
つまりは、この辺を駆使すれば、タルトは無理でもケーキならいけるんじゃない?
ということで早速これらをうまく作り替えることにしました。
その結果がこちら。

何とか形にはなりましたが、こちらもこちらで作ったパーツを無理に全部使おうとしたことで少し問題が生じました。
ババロアはどこで使ったかというと、スポンジの間に挟む形で差し込みました。
その結果、上のスポンジがババロアによって滑る形になってしまい、どうにも形がゆがんでしまいました。
ココナッツホイップも量があまり足りてなかった感じですね。一応アリサンの有機ココナッツクリーム一缶で作ってみたのですが。
ホイップが足りないからとババロアを挟み込もうとした結果、そこでほころびが生じた、って感じですね。
ちなみに味は、ブドウの酸味と甘みが際立っており、スポンジやクリームはそれを引き立てる脇を固める甘みを出しておりました。ココナッツホイップは主張が控えめなので、フルーツの甘みと酸味を引き立てるのが大きいですね。
課題
さて、ではどうしてこうなったのか。それを考えて次に生かしたいなって思います。
1.チーズフィリング固まらない問題→水分が多いor凝固剤足りない
今回、チーズフィリングを作るにあたって卵の代わりにオーツミルク、メープルシロップ、ベーキングパウダーを使ったところですが、そもそもとして卵がチーズフィリングで担う役割として、凝固剤としての役割があったのですが、それを満たす代替材料を使っていなかった問題があるかなと思いました。
そう考えると、必要だったのはオーツミルクではなく、凝固剤である吉野本葛などだったのかもしれません。オーツミルク+吉野本葛による成型の効果は、以前実験したキッシュで実証済みなので、次はこちらを試してみようと思います。
あとは単純に流しいれる量が多すぎたので、ひとまず一面に行き渡ったらその時点で切り上げてよかったかもしれません。間違ってもひたひたに入れるなんてことはもってのほかということもよくわかりました。
2.ケーキまとまらない問題→挟むのはホイップ、ババロアは挟まない、乗せるなら〇
これは前述の通り。ババロアは挟むものではない、乗せるもの。これは肝に銘じます。
そしてホイップクリームは、直径15センチのスポンジケーキに対しては1.5缶分(600ml)くらいのココナッツクリームでホイップを作ってみようと思います。今回ホイップ自体はしっかりと角が立つくらいによくできたので、冷やして油脂部分だけを抽出するのがしっかりしたホイップを作るカギですね、アレルゲンフリーにおいては。
3.ケーキもっちり問題→片栗粉などでしっとり感を出す
スポンジケーキですが、米粉で作ったものによくあることなのですが、少々もっちりしており、しっとり感に欠けていた感じでした。
これは、使った粉が米粉とヘーゼルナッツパウダーだけだったのが大きいのかなと。しっとり感を出すには、片栗粉などを入れるのが経験則上よかったと思うので、それらをブレンドしてよりバランスのいいスポンジケーキを目指していきたいですね。
総括:形にはならないけど得たものは大きかった
結果として、このサイトを立ち上げてから最初のアレルゲンフリースイーツ試作は、このように残念な結果と終わってしまいました。
しかし、別にアレルゲンフリーのヴィーガンチーズケーキを作れる可能性はむしろ高まりましたし、今まで作ってきた経験に、また1ページ追加されたというのが大きかったと思います。
ココナッツクリームでホイップが作れた時の感動を、今度はオーツミルクともち米と吉野本葛でチーズケーキが作れることでまた感じたい、そう思いました。
そして、いつか必ずアレルゲンフリーのスイーツを、人に提供できるものを幾つも作り上げたい。今日の経験はそこへ向かっている確実な一歩だと信じております。
次は10月になりますが、次の日曜日は、中秋の名月を控えているので月見団子を作っていきたいなって思います。
このサイトでは、毎週日曜日にこのようにアレルゲンフリーのヴィーガンスイーツの試作及びその結果を共有していきますので、ヴィーガンやスイーツに興味ある方に少しでもプラスになるものをお届けしていきたいと思います。
それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
