わたしのアレルゲンフリースイーツ~素材篇~
についてご紹介したいと思います。
ヴィーガンやアレルゲンフリーのスイーツに興味のある方にとって、少しでも参考になればうれしいです。
1.わたしが作ったアレルゲンフリースイーツの紹介
ヴィーガンスイーツを作り始めてからは1年以上たちますが、そこからアレルゲンフリーに移ったのは2025年の8月くらいからとなります。つまりはアレルゲンフリースイーツ暦はまだ1か月足らず、といったところになります。
1.タルト


左がカボチャとスイートポテトのタルト、右がイチジクのタルトです。右は所謂フレッシュスイーツタルトと呼ばれるものです。特にミディアムローストなどの浅煎りコーヒーとのフードペアリングが良好なスイーツですね。一方でスイートポテトタルトのようにほくほくしたしっとりスイーツは深煎り豆との相性が良好です。
わたしは基本的にタルトを多く作っております。理由としては、盛り付けるもの次第でどの焙煎度のコーヒーにも対応したフードペアリングを実現できるから、です。まさに無限の可能性。
将来カフェを開業するにあたっても、目玉のスイーツはタルトにしたいと思っていますね、その時その時の旬の果物や野菜を使った限定タルトとか。
2.クッキー

続いてはクッキー。クッキーは手軽に作れるのが大きいですね。タルトなどを休日にがっつり作った片手間で作って平日の仕事中のおやつにもできたりします。
画像のはプレーンですが、アイスボックスクッキーにしてカボチャ、カカオ、抹茶フレーバーなども試したことがあります。
3.その他(和菓子など)


こちらは、左が水無月という和菓子で、右がモンブランタルトレットです。
実はヴィーガンスイーツと和菓子は非常に親和性の高いもので、別に意識しなくとも乳製品や動物由来のゼラチンが含まれないものがほとんどです。羊羹なんかはグルテンフリーでもありますし、和菓子が「見て楽しむ」和食のテイスト通りに、ヴィジュアル的にも熟練者のそれは非常に見応えのあるものです。
そのため、ヴィーガンが何かスイーツ作るなら、和菓子は別に置き換えをほとんどやらなくても自然とプラントベースになることが多いのですが、わたしはアンコを作るのが非常に苦手でまだなかなかバリエーションが増えない状態にあります。。。
そしてモンブランタルトは、栗が9月に旬を迎えるから作ってみました。こちらはクリーミーなつくりとなっているので、深煎り珈琲との相性がいいですね。わたしはマンデリンと頂きました。
2.アレルゲンフリースイーツで用いる素材
さて、ここでひとしきり今まで作ってきたアレルゲンフリーのスイーツを紹介したところで、これらを作る際に用いた原材料を紹介いたします。
1.タルト
タルト台(全品共通:直系18㎝のタルト台)
- 米粉(製菓用):70g(A)
- ヘーゼルナッツパウダー:40g(A)
- オートミール(クイックオーツ):20g(A)
- 片栗粉:20g(A)
- 含蜜糖:15g(A)
- 自然海塩:適量(A)
- オーツミルク:30ml(B)
- ココナッツオイル:40g(B)
クレームダマンド
カボチャダマンド
- かぼちゃ:320g
- オーツミルク:100ml
- 含蜜糖:30g
- 甘酒:30g
- ヘーゼルナッツパウダー:20g
- ベーキングパウダー:6g
ヘーゼルナッツダマンド
- ヘーゼルナッツパウダー:50g(A)
- 米粉:40g(A)
- 含蜜糖:小さじ2(A)
- ベーキングパウダー:6g(A)
- オーツミルク又はココナッツクリーム:30ml(B)
- 植物油:15g(B)
- メープルシロップ又は甘酒:大さじ1(B)
ココナッツホイップ
- ココナッツクリーム:400g
- 含蜜糖:10~20g
- レモン汁:小さじ1~1.5
その他、上に乗せるフルーツ次第。
ちなみにAとB、というのは、作る際にそれぞれ別々のボウルで混ぜて、油分の方は乳化させてから二つ合わせて粉っぽさがなくなるまで混ぜれば、生地が出来上がる、といったものになります。ヴィーガンスイーツは実際こんな感じに簡単にできてしまいます。レシピなどは後日改めて共有する機会を設けたいと思います。
2.クッキー
- 米粉:50g(A)
- ヘーゼルナッツパウダー:20g(A)
- 片栗粉:15g(A)
- オートミール:10g(A)
- 含蜜糖:30g(A)
- ベーキングパウダー:小さじ2分の1(A)
- 塩:適量(A)
- オーツミルク:15ml(B)
- 菜種油:25g(B)
- メープルシロップ:10g(B)
上記がプレーンの素材です。AとBはタルトの時と同じ意味です。
3.和菓子ほか
水無月
- 吉野本葛:25g
- 白玉粉:30g
- 米粉:35g
- 含蜜糖:60g
- 甘酒:10g
- 水:160ml
- 大納言小豆の甘煮:150g
モンブランタルトレット
- マロンペースト:160g
- ココナッツオイル:18g
- ココナッツクリーム:30g
- ラム酒:4g
- ココナッツホイップ:70g
- 栗の渋皮煮:3粒
- タルト台と同じ素材(タルトレット6個分作れる)
この辺は素材自体はシンプルなラインナップです。マロンペーストを手作りしなければ。
3.各素材の役割
続いて、
上記素材の役割
何の代替か
を、ここでご説明いたします。
1.粉
- 米粉:小麦粉(アレルゲン)の代わり。グルテンがないためダマにならず、振るう必要もないので扱いやすい。ほろほろした食感。
- ヘーゼルナッツパウダー:バター(動物性食材)、アーモンドプードル(アレルゲン)の代わり。バターのコクをヴィーガンスイーツで出すために、アーモンドプードルを用いることが多いが、アーモンドは現状28品目の一つなので食感、味わいが近いヘーゼルナッツパウダーで代用。
- オートミール:粉状にするとほろほろに、そのまま使うとサクサク感が出る粉。タルト台やクッキーにサクサク感を出すために使用。
- 片栗粉:サクサク感を出すために使う。水溶きにすると凝固剤としても使える。
2.甘味料
- 含蜜糖:製造工程で結晶と蜜を分離しない砂糖。未精製、と書いているもの。ミネラル豊富だが、甘味料がこれだけだと味がぼやけるので、他の甘味料と併用する。
- 甘酒:米由来の甘みのため、米粉メインのアレルゲンフリースイーツでは自然な甘みが出る。
- メープルシロップ:卵(動物性食材)の代替(味部分)。ミネラル・ビタミンが甘味料の中では豊富。
3.ミルク・クリーム
- オーツミルク:牛乳(動物性食材)、豆乳(アレルゲン)の代わり。ミルク系統の中では食物繊維、カルシウムが最も多い。味わいは癖がなく甘い牛乳といったところ。
- ココナッツクリーム:生クリーム(動物性食材)の代わり。冷やすと油脂部分と液体部分に分離するので、上澄みの油脂部分のみを含蜜糖と共にホイッパーでホイップクリームに。
4.油
- 菜種油:バター(動物性食材)の代わり。オレイン酸豊富。圧搾法で抽出された油を使用。
- ココナッツオイル:バター(動物性食材)の代わり。常温(18℃以下)で固まるので、タルト台などまとまりが大事な生地作りに必須。
5.膨張剤
- ベーキングパウダー:卵(卵白などつなぎとして)の代わり。主に縦に膨らむ。(横に膨らませたい場合はベーキングソーダ(重曹)を使う。)
6.凝固剤
- 吉野本葛:ゼラチン(動物性食材)の代わり。ジャガイモやサツマイモのでんぷんを含んだ廉価版もあるが基本的には100%葛の粉を使う。溶かしてから加熱することで完全に溶け込み、冷ました時に凝固作用が発生する。100gの液体に対し5gほど使う。
以上が、これまで作ったアレルゲンフリースイーツでの素材、およびその役割になります。
基本的にわたしのスイーツ作りは、まずレシピ本やインターネットで作りたいスイーツのレシピを探し、それらの素材をアレルゲンフリー、植物性食材に「置換」してレシピをノートに書き表して作ります。その置換を行うにあたり、元々の動物性食材がスイーツにおいてどんな役割を担っていたのか、を考え、それに合った食材を選ぶ、といった手法を取っております。大抵はミルクならそのままオーツミルクとか、バターならそのままココナッツオイルとかストレートな置換ができるのですが、一番の曲者は卵ですね。卵はスイーツにおいて甘味料、膨張剤など複数の役割を担うことがあります。そのレシピにおいて卵が何の目的で使われているのかを考えたうえで、代替材料を選ぶ必要があります。基本的に甘味料ならメープルシロップ、膨張剤ならベーキングパウダーを用いてはおりますが。メレンゲとして使われている場合はまだやったことはありませんがひよこ豆の煮汁(アクアファバ)でメレンゲを作る必要があります。これは練習を重ねてものにするしかありませんね。いつか試したいと思います。
しかし、こうしてみると案外植物性オンリーでもスイーツ、作れそうだと思いませんか?実際わたしもヴィーガンスイーツは1年以上色々作っていますが、思った以上に色々作れるし、味もしっかりと甘くておいしい!ってなってるのでびっくりしています。今ではどんな食材を使えばどんな味わいになるだろうといった置換や組み合わせを考えるのが楽しくて仕方ありません。そして今は旬の果物をどんな風に盛り付けたタルトを作ろうか、といったことを考えるのも楽しいです。そして実際気に入った形のものを作れると、してやったり!ってガッツポーズ摂りたくなりますね。
そんなアレルゲンフリーのヴィーガンスイーツを作る楽しさを、これから少しずつ伝えて行ければなと思いますので、まずはこの記事でヴィーガンスイーツに少しでも興味を持っていただけたら嬉しいです。
